四季から五季のビジネスモデルに

- コンサルタントの独り言 -
2025年07月01日

アパレル企業のビジネスモデルの春夏秋冬の四季が岐路に立っている。

気候変動の影響で長期化した夏の商戦が長期化し、秋が短く冬も遅くなって厚手の季節衣料が振るわない。
大手アパレルは1年の約半分が夏シーズンと考え、袖なしのコートや重ね着しやすい衣料の生産を増やす。
夏を「初夏・盛夏」と「猛暑」の2つに分けて定義し、年間の商品構成を『五季』と考え実際の気温と需要に対応する。

20年前は50日間あった秋物衣料の販売期間が、最近は30日間と短期化している。
秋商戦が始まる8月~9月に真夏日や猛暑日が増え厚手生地の秋物衣料の販売が振るわない。
また、冬物衣料の販売期間も短くなる一方、夏物衣料の商戦は160日間と20年前から1ヶ月ほど伸びている。
このように夏物衣料への関心が高まり「ワークマン」では熱中症リスク軽減をうたう日傘レベルの断熱性のある生地を採用する。
ファーストリテイリングのユニクロは機能性素材の「エアリズム」の通年販売に踏み切る。

今後、気候変動がアパレル企業の収益を圧迫する懸念から単価の高い秋冬物での売り上げ確保も重要な課題である。

文/島崎淳 (Jun Shimazaki)