イトーヨーカ堂は2025年秋冬商品を最後に、大手アパレルのアダストリアからの衣料品調達を打ち切る。2023年3月に衣料品事業から撤退し、自社企画をやめてアダストリアからの供給に切り替えていたが、この取り組みはわずか2年で幕を閉じることになる。
アダストリアは商品の企画・生産から売り場づくり、販促活動までを担い、ヨーカ堂は発注量の調整を担当した。総合スーパー型店舗の約7割にあたる64店では、アダストリアが供給するブランド「ファンドグッド」の売り場を設置。機能性を打ち出したシャツやパンツなどを3000円弱の価格帯で展開し、従来のPB商品と同等か割安に設定してきた。ターゲットはファミリー層だったが、実際には60歳以上のシニア層の来店が増える傾向が強まっている。
全国のスーパー衣料品売上高は2024年度に6391億円と、この10年で46%減少。アパレルの売り場シェアが大幅に縮小するなか、ヨーカ堂は衣料品販売から撤退し、食品販売に軸足を移して集客力を高める方針を鮮明にした。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)