水戸の京成百貨店の米ラグジュアリー宝飾ブランド「ティファニー」が6月30日に閉店した。同店からは「ルイ・ヴィトン」も昨年12月に撤退した。いずれも茨城県唯一の直営店だった。
高島屋岡山店では、中四国エリア唯一の「エルメス」跡地に「フェラガモ」「トッズ」が1年後にようやく開業にこぎつけた。地方百貨店の外商顧客を中心にブランド品需要は高く。三越広島店では「おとりよせ」の店内ポスターが目を引く。東京の伊勢丹、三越からブランド品を取り寄せるサービスだ。
ラグジュアリブランドが地方を縮小するのを尻目に、残存者利益を獲得しているのが米国ブランドの「コーチ」が国内に約100店舗出店している。地方百貨店にとっては頼もしい存在であると同時に最後の砦ともいえる。
日本のラグジュアリー品の市場規模は25年に7兆8500億円に達し、うち6割が宝飾、革製品、デザイナーアパレルなど個人向け高級品が占める。今後、地域に密着し、商品を発掘する能力にたけた地方百貨店が生き残るであろう。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)