ファストファッションの過去と未来

- アパレル業界ニュース -
2014年08月04日

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なにがいいのか ファストファッション

私たちの生活の中でなくてはならなくなっているファストファッション。最新のトレンドのファッションを低価格で取り入れられるすぐれものです。

ファストファッションの代表であるユニクロやGAP, ZARAなどのブランドはSPAという形態。従来のアパレルで主流だったのは企画→製造→問屋→小売という形態ですが、それに対してSPAは企画・製造・流通・販売まで一環して自社で行う事によって中間マージンを削減し、低価格の商品を実現しています。
また、店舗の売上げの動向・お客さまの声などを商品の企画にすぐに反映できる為に、大変効率のよいモノ作りで成功を収めています。

「このアイテム、売れ行きいいから追加しちゃおう!」とか、「お客様からこの色目があればいいのに、というリクエストがあるから次の企画にのせよう!」とか、すぐに判断、生産ができるのです。

ファストファッションの歴史

ここ10年で台頭して来たファストファッションですが、国内外の歴史はどのようなものなのでしょうか。

ファストファッションのはしりといえばGAP

かつてのファストファッションの代表と言えばGAPでした。1990年代にアメリカで低単価のカジュアル衣料を売りに売って存在感を高めたGAP。日本でも当時おしゃれなテレビCMを見てみんな買いに行きました。

ヨーロッパブランドの出現 パリコレみたいな服が安く買える!〜ZARAとH&Mの台頭

2000年になってヨーロッパ発のブランドのZARAとH&Mが出て来てGAPは少し衰退します。
カジュアル一辺倒のGAPに対して、ZARAとH&Mはよりトレンドを取り入れ、パリコレなどで見られるようなモードを低価格で展開しました。

最新トレンドを取り入れた低価格のファッションを、短サイクルで大量に生産・販売するファストファッションが確立したのもこの頃でしょう。

山口県の安売りショップからNYで大成功のアパレルへ〜ユニクロの変遷

一方、日本のファストファッションの歴史を語る上でかかせないのがユニクロです。

ユニクロは、1984年に山口県で第一号店が誕生しました。
今とは全く雰囲気の違うロードサイド店。トレードマークは人が二人運動しているようなシルエット。オバチャンやお爺ちゃんが突然服を脱ぐ衝撃のローカルCMを制作する田舎の安売り店でした。しかし10年後には店舗数は100を超えます。

それまでローカル色の強かったユニクロですが、1998年に原宿にフラッグシップショップをオープンさせ、全国展開を急加速。
佐藤可士和さんのデザインも評判になり、オシャレ路線に転換します。

その後1900円のフリースが売れに売れ、どんどん売り上げを伸ばします。
2013年にはファーストリテイリングの売上げは1兆円を超え、アパレルの売上げランキング1位にまで上り詰めました。

ユニクロの強み

ユニクロの強みはSPAならではの中間マージンを省いた高品質低価格化にあります。
早くから中国に巨大な自社工場を作り、日本人スタッフを多く派遣して品質の良い中国生産を可能にしました。
また、フリースをはじめとして保湿機能に優れた「ヒートテック」発汗性・防臭性に優れた「シルキードライなど、新素材を開発して今までに無い需要を作り出した事も成功の大きな要因です。

低価格競争と差別化戦略

日本のファストファッションは低価格化競争がそろそろ底をつき、差別化された高品質の商品の需要が高まっています。
ヨーロッパのファストファッションも差別化の時代に入っており、H&Mは品質とファッション性を高めた「コス」など高価格帯の新ブランドを作っており、今後新たなファストファッションの形を模索しています。

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