青山はなぜオシャレ?ファッションの歴史と今

- アパレル業界ニュース -
2015年04月01日

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いまや「おしゃれな街」「最新トレンドの街」の代名詞的存在である青山。「青山通り」「表参道」「みゆき通り」「骨董通り」「キラー通り」に、一流ブランドショップや個性的なセレクトショップ、ファッションビルなどが立ち並んでおり、おしゃれな街として知られています。どのような経緯で、ファッションの街と呼ばれるまでに発展したのでしょうか。

1. 青山のファッションの歴史

青山のファッションの歴史を知るには、いまから50年以上前に遡ります。第二次世界大戦後、現在の代々木公園のある一帯に、ワシントンハイツという軍用地がありました。ワシントンハイツとは、兵舎や家族用居住宿舎などの在日米軍施設のことです。多くのアメリカ人が代々木公園~表参道周辺に賑わい、アメリカ人相手のハイカラなお店も数多く出店されるようになりました。

さらに、1964年に開催された東京オリンピックにより、ワシントンハイツの跡地に、選手村や国立代々木競技場が建設され、より海外の文化が当地に流れ込んできました。この頃から、青山は国際色豊かな街になり、奇抜なファッションが容認されるファッショナブルな地域へと移り変わっていったのです。

また同時期に、いまや「メンズファッションの神様」として知られる石津謙介のファッションブランド、ヴァンジャケット(VAN)が青山に拠点を置き急成長します。これに伴い、青山周辺地域は多くの新しいファッションブランドやファッションビルが次々とオープンしました。たとえば、70年代には、NICOLやミルク、BIGI、コムデギャルソン、ドゥー・ファミリー、プラダ青山店、青山ベルコモンズ、ラフォーレ原宿、80年代にはヨージヤマモト、アニエスベー青山店、ラルフローレン(原宿)、原宿クエスト、スパイラル(青山)などが挙げられます。これらの建物は有名建築家による個性的かつおしゃれで洗練されたもので、ファッショナブルな街に一層の彩りを与えることになりました。

これと並行して、70年代から80年代にかけて、「an・an(アンアン)」「nonno(ノンノ)」「流行通信」「JJ」「クロワッサン」「MORE(モア)」「Hanako」などのファッション雑誌が続々と創刊され、これらの雑誌でブランド商品やショップを紹介することで、青山=ファッション街としてのイメージが確立されていきます。

そして、バブル経済を経て都市が成熟すると、ディオール、グッチ、ルイ・ヴィトンなど海外の高級ブランド店が立ち並ぶようになりました。

青山周辺が明治神宮を中心とする文教地区である点も青山をおしゃれな街へと確立させた要因のひとつに挙げられるでしょう。文教地区とは、教育・研究・文化活動にふさわしい環境を維持するために、都市計画に定められた特別用途地区のことを指します。この地区の中では、通常、教育上好ましくないと目される業種の建築物(パチンコ店、バー、映画館、劇場、モーテルなど)の建築が制限されます。

このような歴史的・環境的なロケーションの良さがいまの青山を形作ったのです。

2. 青山のショップ、ファッションビル

青山には一流ブランドが軒を連ねています。ここでは、最近オープン&リニューアルオープンし話題となったショップを中心にご紹介しましょう。

ショップ:
●COS(コス)
H&Mのハイブランド、COSが2014年11月に日本初のストアをオープン。メンズ、レディース、キッズを対象に、high-quality fashion essentials(高品質の必須アイテム)を提供しています。

●ZARA HOME(ザラホーム)
ZARAを展開するグループが手掛けるインテリア雑貨専門店。2014年4月に東京都内では一号店となる店舗が青山に登場。取り扱う商品の大部分はベッドリネン、バス、テーブル用のホームテキスタイル。

●Christian Louboutin Aoyama(クリスチャン・ルブタン 青山店)
2013年12月、青山に旗艦店をオープン。メンズ、ウィメンズシューズやバッグ、革小物などを取り揃えています。青山店ではメンズコーナーにも力を入れています。

●Alexander McQueen (アレキサンダー・マックイーン)
2014年6月、日本初となる旗艦店をオープン。メンズ、ウィメンズともにプレタポルテからアクセサリーラインまで幅広く取り扱っています。店舗のデザインや店内のアート作品、個性的なディスプレイにも注目。

●BALENCIAGA(バレンシアガ)
2014年3月、日本初の路面店をオープン。いま注目のデザイナー、アレキサンダー・ワンがクリエイティブディレクター就任後に打ち出した新しいデザインコンセプトのストアです。

●ÉPICE (エピス)
2014年12月、パリの新進ストールブランドÉPICEがアジア初となる旗艦店をオープンしました。インドの職人によりひとつずつ丁寧に織られた美しいストールの数々を提案しています。

●Faliero Sarti (ファリエロ・サルティ)
2014年8月、イタリア発のラグジュアリーストールブランド、 ファリエロ・サルティが日本初となる旗艦店をオープンしました。

ファッションビル:
●オーク表参道 (oak omotesando)
ハナエモリビル跡地に誕生した複合施設です。エンポリオ・アルマーニ、コーチ、スリードッツなどの店舗が入っています。

●シボネ青山
2014年7月、移転リニューアルオープンした、ファッショニスタにもインテリア好きにもおなじみのライフスタイルショップです。定期的に行われる、クリエイターによる展示やイベントにも注目です。

3. 最後に

青山は世界からも認められている、有数のファッショントレンドの発信地です。また、最先端のブランドが勢ぞろいし、独特の建物やおしゃれなカフェ、多数の美容院が展開するなど、ファッションに敏感な若者たちの憧れの街と言えるでしょう。おしゃれな街・青山で働くという憧れは衰えそうにありませんね。

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