「知的共有集団」

今、「良品計画」が元気です。売上1790億、国内385店舗 海外256店舗、成長性は前年比113%、何より営業利益165億と利益率は約10%とかなりの効率経営。

西友のプライベートブランドとして1980年に誕生し、シンプルなデザインで「わけあって、安い」をキャッチフレーズに生活者の支持を獲得した。1989年に独立しバブル崩壊後に「ムジラー」ブームを起こす。その後2000年頃より業績悪化し2001年に初めての赤字を経験。原因はブーム時代に染みついた、欠品を恐れる習性による作り過ぎ(在庫過多)が原因であった。

ある雑誌でこの失速の根本要因は商品デザイン、販売力、プライス戦略以上に組織風土に大きな課題があったとの掲載を見た。それは個人の優れた感性や経験を重視した“経験主義”が弊害となり100人のスター店長がいると100通りのやり方が生まれ個人に仕事がつき「見えない化」され、成功事例情報が共有されない組織風土に弊害があったようである。

当時、人事畑出身の現松井会長が個人から組織全体を「仕組み」で動かす為に、業務の標準化を「業務マニュアル」の作成を通じて「見える化」に着手し、店舗業務のマニュアルとして有名な「MUJIGRAM」を完成させた。社員一人一人が「自分達は何の為に、何を実現したいのか」を社員同士で対話しながら築いた改善策をこの「MUJIGRAM」に蓄積させることで個→集団→組織と知を共有し発展させていくサイクルを浸透させてきた。これが松井会長の言う「型破り」、すなわち「型を守る~破る~創意工夫によってそこから離れ新しい型を作る」という「守・破・離」のサイクルを組織に埋め込むと、風土が変わっていく。この循環を松井会長は「血が通う」と表現される。この“血が通う仕組み”で「無印商品」を世界的ブランドに押し上げてきた。今ではこの「MUJIGRAM」は英語版・中国語版・韓国語版もあるようです。

このように理念、基準を軸に新たな提案実行を歓迎する風土が、企業の活性化を生み、若い人材を成長させる条件と考える。報酬のアップもさることながら自身を成長させる企業を選択することが将来のキャリアアップに繋がる事と信じたい。

文/島崎淳 (Jun Shimazaki)

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