「執行役員制度の転換期」

- コンサルタントの独り言 -
2018年06月04日

いま、執行役員制度が大きな岐路に立っている。一つは執行役員制度を廃止する。もう一つは、会社法改正による取締役会の権限変更が出てきている。廃止理由は「意思決定の迅速化」を上げている。当初の目的である監督と執行の分離は思ったように進まなかったようである。これは執行役員という階層が間に入ることにより現場との距離が離れてしまった取締役が、重要な業務執行を決定する十分な情報が得られず意思決定が遅れる事態に怠った。執行役員制度は、意思決定の迅速化を目的に導入されたにもかかわらずその効果が出せず、今や意思決定の迅速化のために廃止が検討されている存在になっている。

一方の法改正では取締役会の専決事項減らす方向のようである。重要な取締役会での業務執行の決定を執行取締役に委任できるようにし、大幅な権限委譲が取締役会の承認なしに出来る道が開かれる。今後、大幅な権限委譲を受けた執行取締役がスピーディーに業務執行にあたっていくであろう。フッション業界もスピーディに変化対応するため執行取締役に権限委譲し、監督する取締役会は増々外部取締役ウエイトが増えていくであろう。処遇も執行役割に手厚くすべきと思う。

文/島崎淳 (Jun Shimazaki)