生産管理に必要なスキル

- アパレル業界ニュース -
2014年09月21日

生産管理

高いコミュニケーション能力

生産管理の主な仕事は、品質管理、納期(行程)管理、コスト管理。
それぞれ取引先と日々やり取りをし、より効率よく生産できるよう調整します。
企画チームから無理な納期を希望されて、縫製工場にうまく伝えなければならないなど、板挟みになることもしばしば。

社内・外部とも良い関係を築いていれば、多少の無理も通ります。
様々な人と良い関係を持てるコミュニケーション力が必須です。

ファッションの専門知識

生産管理は生産の全行程の管理をするので、縫製やパターン、生地や付属などのファッションの深く広い専門知識が必要になります。
工場への生産指示をする場合には、専門用語を多用します。量産の商品が上がって来て、出荷前に確認する、先あげサンプルと呼ばれるもののチェックは縫製の細かい部分までしっかり見て確認しなければなりません。

また、素材の知識もとても重要で、A産地のこういう特性の生地を使えば、縫製工場のB国に陸送できて物流コストも押さえられ、クオリティも保たれる、など同じような生地でも産地を変える事によってコストが削減される場合もあります。

品質管理の知識

ファッションに関する知識の中でも、特に重要なのが品質管理の知識です。
日本は世界でも品質の基準が一番高い国、といわれており、百貨店や量販店の品質基準をクリアするのは非常に困難です。
その品質も生産管理が管理する場合も多く、関連した深い知識が必須です。
PL法などの法律にからむこともあり、法的な知識も身につけておかなければなりません。

例えば、色落ちする商品がPL法にひっかかることがあります。
あるアパレルの会社が色落ちしそうな商品に「色落ちします」というタグをつけて販売した場合、消費者から「他の服と一緒に洗ったら色移りした」というクレームがきました。
この場合、「色落ちします」という警告だけでは足りず、「単独で洗ってください」という警告も必要になり、PL法の「警告・指示上の欠陥」にひっかかります。
…と、とても専門的な知識が無いと、生産管理の仕事であるタグの発注もおちおちできない、なんていうことも。

交渉力

生産管理の重要な仕事の一つに原価計算があります。よりコストを押さえてクオリティの良いモノを作る為に、取引先とコストの交渉をします。
また、納期や品質の管理もするため、縫製工場や生地・付属の工場にとても厳しい納期の交渉や、ブランドの品質を分かって実現してもらう為の交渉も必要になります。
生産管理の交渉力こそが、会社の利益を生み出す重要なポイントなのです。

トラブルに対応する能力

洋服の生産にはトラブルはつきもの。日々信じられないような問題が起こります。
例えば、生産スタートまでに原材料が到着せず縫製を開始できなかったり、上がって来た商品の色が全くちがったり…
そんなトラブルに臨機応変に対応して問題を解決する能力が必要です。

業務改善能力

生産管理の仕事は、製造ラインや設備、原材料のコストなどを総合してより効率的な生産システムを作り上げて実行する事です。
今までの方法を見直して、無駄を省いたりよりよい方法を用いたりする、業務改善能力がとても役に立つでしょう。

語学力

近年は海外生産するアパレルも多い為、中国語や英語の語学力があるととても重宝されます。
特に中国の縫製工場は中国語しかしゃべれない人がほとんど。大きなアパレルでは商社を通すので語学の必要性があまり感じられないかもしれませんが、小さなアパレルは直接中国の縫製工場とやりとりすることもしばしば。
中国語を話せるとアパレルの生産管理としては大きな武器になるでしょう。