色がもたらす印象の違い

- アパレル業界ニュース -
2017年02月02日

皆さん、赤い色を見てどんな印象を感じますか?

「怒り」「危険」「情熱」「熱さ」「炎」など出てくると思います。

 

色には人に与える印象に大きな影響を及ぼす効果があるとされています。

 

例えば、アメリカの大統領選挙に関する演説や討論会を見ていれば容易に気付く事ができますが、男性候補者の多くは赤いネクタイを締めています。これは、赤い色に「パワー・指導力を感じさせる」効果があるからです。

 

アメリカの心理学会で報告された例をご紹介します。

ある製品会社で、製品を運搬する際に黒い容器に入れて運んでいる会社がありましたが、運搬を受け持つ社員たちから「大きな疲労感」や「体調不良」を申告されました。

会社側は容器の色に注目し、黒からライトグリーンのものに差し替えたところ、社員からの苦情が劇的に減ったと報告されたとのことでした。

 

安定感や落ちつきを感じさせる黒色は、実際の重さ以上の重量を感じさせてしまい、軽快さや明るさを感じさせるライトグリーンは、実際の重さ以下の重量しか感じさせなかったことが原因であったと結論付けられました。

 

また、同じ重量の白色と黒色の箱を用いた軽重感覚実験を行ったところ、黒色のものを白色のものよりも約1.8倍重く見積もった答えが返ってきたとする報告があります。

 

このように、色によって人は影響を受けているのです。

 

色彩と印象の関係

色が与える印象や色に関して抱く対象物に関し、色彩心理学の分野で一般的に言われていることが以下のものです。

 

青・・・「厳しさ」「安定感」「落ち着き」「海」「空」

赤・・・「情熱」「パワー」「積極性」「怒り」「歓喜」「炎」「太陽」

白・・・「清潔」「純真」「潔白」「淡泊」「雪」「雲」

緑・・・「癒し」「安らぎ」「新鮮」「若々しさ」「新芽」「森」

黒・・・「安定」「重厚」「陰気」「いかめしさ」

黄・・・「元気」「明朗」「闊達」「愉快」「花」

色の印象のお話をしてきましたが、制服にもそういった効果があるようです。

 

制服は一目見ればその職業を推察することが出来ます。

例えば、警察官の制服を着た人が近くにいる時、自分が悪いことをしていなくても、何となく緊張するものです。また、白衣の看護師やお医者さんを見ると安心感、信頼感を感じる経験があると思います。

特定の制服を着ることにより、着る人に対する人々の先入観があるものです。

 

未だ犯人が見つかっていない3億円事件もその先入観により起きた事件の一つです。

白バイに乗った警察官の姿をした人が現れたことにより、犯人のいうことを素直に信じてしまった事で、3億円を盗まれてしまいました。

このように、特定の制服や制服を着る人に対する先入観を逆手にとって犯罪をする人も数多く存在します。

 

制服は、その組織に所属しているということを証明するものでもありますので、その組織のイメージに合った言動をする必要がありますし、またそのイメージと違う言動があれば、クレームや口コミなどでの批判を受けることもあるでしょう。

 

それだけ、色や着る服、制服で人の印象が変わることがわかります。

 

自分自身がどういう印象を与えたいのか?また、どのような心理状態でいたいか?など、色や着る服でコントロールすることもできるということです。

 

色々な視点から、第一印象を自分なりに研究してみるのも一つのスキルになるかもしれませんね。