「新卒一括採用について」

- コンサルタントの独り言 -
2019年10月01日

日本型新卒一括採用については絶えず議論が絶えない。メリットとしては、若い人材を大量に効率的に採用でき、教育コストの軽減、企業への忠誠心を植え付けられる。一方、デメリットは、留学生、外国人採用をフレキシブルに行えない点がある。その対極で比較されるのは欧州の入職システムで職業訓練制度が整い、入職や職業転換も自由のようだ。ただ、日本と比べ失業率ははるかに高い。プログラムとしては職業訓練校での基本講座1に対し企業実習が2のウエイトのようである。企業実習はおざなりに雑用を任され、そこで腕を磨く。企業実習が役に立ったかのアンケートでは90%の修了者が「はい」と答えている。一方、基本講座のそれは40%にとどまる。企業内実習のほうが基本講座より役に立つということである。こうした職業訓練期間は2~3年でその期間の時給は最低賃金の5~7割程度で、時給は600~900円弱で年収は90~140万でこれを続けるのは物価高の欧州では厳しく、脱落者も多い。そして企業実習は応募して合格からスタートで企業は伸び盛りの若手を採用しがちであり、30歳以上はほぼ採用されないという。この状況から欧州では正規の職をあきらめ非正規のまま長年暮らす人が多く、ここからユーロ圏の失業率は平均7.5%(独3.1% 仏8.6% スペイン13.6%)で日本は今日の発表で2.2%。
話は戻ると今後の新卒採用は一括採用は基本で4月、9月で行い、現場でのインターシップでAI等の高度専門人材の採用のパターンになっていくと予想される。

文/島崎淳 (Jun Shimazaki)