「日本の守りに少子化の影が」

- コンサルタントの独り言 -
2020年12月01日

先日、新聞記事で「日本の守りに少子化の影が」を目にした。陸海空の自衛隊で任期制自衛官の採用が2019年まで6年連続で計画を下回り、担い手不足が深刻化している。

自衛隊の採用は幹部を養成する「幹部候補生」、部隊の中核となる「一般曹候補生」、任期制の「自衛官候補生」に分かれる。このうち採用人数が最も多いのは任期2~3年の「自衛官候補生」である。この「自衛官候補生」の採用者数が2014年以降、6年連続で計画を達成できていないようである。

2018年には陸海空全体の採用達成率が7割にとどまった。アベノミクスによる景気拡大が続き民間に人材が流れた面があるものの、採用難の根源は少子化である。

自衛官の採用対象年齢は2018年まで18~26歳だった。この人口は1994年の1743万人をピークに減少に転じ、2019年は1133万人と3割以上減った。自衛隊の応募者数は8万人程度で90年代のピーク時から半減した。2018年から採用対象年齢の上限を32歳に引き上げて対象人員は1900万人で2038年の予測では1563万人に減り、10年ごとに200万人少なくなるようである。

人口が減っても守るべき国土は狭くならず、尖閣諸島での領海侵入防備、北朝鮮を巡ってのミサイル警戒と海自の人手不足は特に深刻である。ちなみにミサイル防衛のイージス艦を1隻増やすにも300人が必要となる。

この人手不足のせいで抑止力を強化出来ないことも現実であり危機感を覚えることを知っておくべきである。

文/島崎淳 (Jun Shimazaki)