百貨店の現状は1999年の311店舗をピークに2026年4月時点で172店舗とほぼ半減した。
売り上げ規模は1991年がピークで9兆7000億円、現在は6兆円を切る。
都市部はピークだった08年の95店舗から69店舗へ(27.4%減)、地方は1999年の236店舗から103店舗(56.4%減)に落ち込んだ。
象徴的なのは、東急百貨店の動きで渋谷駅周辺の再開発に伴い20年に東横店、23年に本店を閉じ、渋谷から「東急百貨店」を冠する店を失った。
一方大丸松坂屋百貨店のデジタルトランスフォーメーション(DX)は、外商顧客向けとスマートフォンのアプリを軸に対面外商の関係性をオンラインへと拡張した。
アプリ会員かつ専用サイト登録者の客単価は非登録顧客の2.5倍にのぼり、デジタル外商の売り上げはコロナ前の19年比で3割増を記録した。
併せて外商顧客の若返りも進んでいるという。
大丸松坂屋のDXに一貫しているのは、効率化以上に外商員や販売員の持つ目利き力と接客力をデジタルで増幅する方向に進んでいる。
人材こそが百貨店の競争力の源泉であることを示す好例である。
すなわち「誰のための、どのような場でありたいか」を所在地域の顧客を軸に長期的視点から見定めることである。
百貨店が生き残る道は、自らがその地域のでいかなる「場」でありたいかを定義いなおすことではないだろうか。