安定した最低賃金引き上げ策を

- コンサルタントの独り言 -
2023年08月01日

2023年度の最低賃金が全国平均で時給1,002円で決まった。現在の961円から41円増え、上げ幅は過去最大となり、伸び率は4.3%で1991年度以来の水準。

政府は賃上げが消費を通じて経済成長につながる好循環を期待する。今回の引き上げは足元の物価高が家庭の負担になっていることへの対処である。

また、人手不足のサービス業を中心に賃上げにつながる可能性が高く、企業側はより収益力の向上が求められる。

一方、最低賃金の国際的比較で日本が見劣りする課題として他国との比較からドイツの最低賃金は1,749円、フランスは1,679円、米国(カリフォルニア州)は2,091円。韓国は24年の最低賃金を1,080円に決めた。このように先進国の最低賃金は日本と大きな差があり、新興国との差も縮まっている。

観光業にとっては恵まれた環境であるが、今後少子化による労働力不足の補完策として期待している日本で働こうとする外国人が減る懸念が大いにある。

賃金の安定した引上げ策は、どう上げていくか?の仕組みづくりが重要になっていく。

文/島崎淳 (Jun Shimazaki)