小売り業績が順調に

- コンサルタントの独り言 -
2023年12月01日

小売企業の業績が好調である。

2023年6~8月期は前年比3割成長だった。円安を追い風にインバウンド消費が活発で、国内富裕層による高額品消費や値上げによるコスト転嫁も進んでいる。アパレルやコンビニなどの小売企業80社のうち増益企業が全体の6割にのぼり、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年6~8月期と比較しても6割が増益になっている。

7社中5社が増益だった百貨店は、高額品需要が追い風だ。パワーカップルなど若年富裕層の動きが目立ち、アジアからの訪日客数も増加傾向。特に円安で訪日客にとっての割安感は強まっている。

アパレルでは客単価の上昇が好業績をけん引した企業が目立った。しまむらは高価格帯のプライベートブランドを拡充し人件費、仕入れコストの増加などを吸収した。アダストリアは値引きの抑制を進め2024年2月期の業績を引き上げる見通しである。コンビニは人流回復を追い風に客数が増え、単価も伸びた。

このようにインバウンドなどの外需が小売企業の業績引き上げる中、内需では弱さも見えている。消費者の心理を表す消費者態度指数は直近2ヶ月連続で前月比で低下し、消費者の値上げ疲れが出ている。2024年は春季労使交渉で中小企業を含めた賃上げの動きが進めば実質賃金はプラスに転換し、消費者心理の改善につながり、さらなる消費拡大の好循環が業績拡大継続につながる期待が出来よう。

文/島崎淳 (Jun Shimazaki)