アパレルの商品企画を担うファッションプランナーとは

- アパレル業界ニュース -
2015年07月24日

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「商品の企画をしたい」ファッションの仕事を目指している人、あるいはすでに携わっている人にとっても、商品企画の仕事は人気の職種と言って良いでしょう。気になる仕事の内容はどのようなものなのでしょうか。具体的に見ていくことにします。

アイデアを形に!アパレル商品企画

アパレルの商品企画職(ファッションプランナー)は、市場調査やトレンド、消費者のニーズ、シーズンごとのコンセプトなどを考慮しながら、新商品を企画し提案する仕事です。一概に企画といっても、どのようなイメージ(コンセプト)を打ち出すのか、どのようなデザインにするのか、どのような生地を使うのか、どのぐらいの量を生産するのか、どのくらいの予算をかけるのかなどその業務は多岐にわたるのが特徴です。
また、実際に企画した商品をどのくらい売るかといった販売計画を考えたり、価格を決めるのもプランナーの仕事です。生産数と生産過程でかかるさまざまなコストを加味し、利益を確保できる価格づけを行います。
提案した企画が通ったら、生地を選び、デザインを決定する製造過程でMDやデザイナーなど他職種と折衝・調整を行うなど、試行錯誤を重ねながら、自分の立てた企画が形になるまで関わり続けます。中には、商品の企画から完成まで何年もかかる場合もあり、根気と粘り強さが求められる仕事と言えるでしょう。一方で、アイデアが実際に商品という形になるまでの一連の流れを担当するため、とてもやりがいのある仕事でもあります。また、完成後は、売上の動向をチェックし、その結果を次の企画にフィードバックしていきます。

商品企画とデザイナーって違う仕事なの?

商品企画と似たような職種として挙げられるのがデザイナー。これらの仕事の違いは何でしょうか?商品企画もデザイナーもどちらもモノを生み出すクリエイターであるという点では同じですが、まったく異なる目的をもつ職種と言えます。最も大きな違いは、商品企画は、「いま何が売れるのか」「次に何が流行るのか」といったビジネス面を重視し、それに即した形で商品の企画を行う仕事であり、デザイナーは、文字通り、無から有を生み出すクリエイティブな仕事であるという点です。また、商品企画は、企画・流通・販売にまで携わるため、より俯瞰的に物事を捉える必要のある業務です。一方、デザイナーは、商品のデザインから、素材や色、縫い方に至るまでを決定し、実際に商品を仕上げていく業務になります。ひとつの商品を企画し、作り上げる過程では、商品企画とデザイナーは協働する場面が生じますが、仕事内容においてはこのように大きな違いがあるのです。

たくさんの協力で完成する商品

プランナーは、商品企画を行う中で、ほかにもさまざまな職種と関わる機会があります。先に述べたデザイナーのほかに、たとえばMDやディレクターといった職種で、MDは市場の動向を見極めながら、商品の開発の提案を行ったり、販売計画を考えたり、予算の管理などを行います。企業によっては、過去の売上などを考慮しながら、商品の買い付けを行ったり、商品発売後にプロモーション活動に携わったりする場合もあるようです。商品企画とMDを比較すると前者の方がクリエイティブ色が強く、後者は前者以上に数値などを見て分析・判断を行うため、販促的な側面の強い職種と言えます。一方、ディレクターは、担当ブランドや担当ショップの責任者として、マーチャンダイジングを行い、売上アップにつなげていく仕事です。よりマネジメント色の強い職種と言えるでしょう。

こんな人は考えてみて!

アパレルの商品企画職は、主に、メーカーやブランドに勤務します。そのため、そのメーカーやブランドのコンセプトやカラーなどに沿って企画を提案していくことになります。企画力が求められるのはもちろんのこと、ファッション業界に精通していたり、生地などの素材について詳しかったりと、幅広い知識が求められるため、ファッションが好きで、アイデアが豊富で、かつ好奇心旺盛である人は向いている職業と言えるでしょう。