マーチャンダイザー(MD)の仕事内容

- アパレル業界ニュース -
2014年08月04日

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商品企画からトレーニングまで ブランドのまとめ役

アパレルのマーチャンダイザーは、商品企画から販売計画、予算・売上などをトータルで管理する仕事です。
ブランドコンセプトに基づいて商品を開発するものづくりから、実際の生産の納期管理、売上げの分析など多岐にわたる業務をこなすため、様々な能力が問われます。

ブランド内で、デザイナーやパタンナー、営業やサプライチェーンなど様々な人と関わる事が多く、ブランド内でのとりまとめ役や、お父さん・お母さん的存在になる場合もあります。

また、外資系ファッションブランドなどのマーチャンダイザーは、商品企画が無い代わりにバイイングをします。

マーチャンダイザーのおもな仕事内容

商品企画
商品のバイイング
販売計画立案
予算管理
プライシング
売上・トレンド分析
マーケット・トレンド分析
スタッフへの商品トレーニング

MDの仕事は企画や売上げ管理だけでなく、社内の会議に多く参加したり、取引先と交渉したりと、とても業務内容が多いため、忙しい場合が多い職種です。
社内での上層部や企画チーム内での意見の調整を計ったり、デザイナーの愚痴を聞いたりするのも仕事の一つ。
たいへんな忍耐力の必要な仕事です。

マーチャンダイザー Mさんの1日

国内アパレルメーカーに勤める入社5年目のMさん(女性)の1日を見てみましょう。

■10AM:
今日は月曜日なので先週の売上げを見て、何が売れているか、どの店舗が売れているかを確認。
週間の売れ筋レポートを作成。

■11AM:
来年の春夏の企画会議

ブランドのシーズンテーマと何をメインの商材にするかを決める。
デザイナーと営業の意見が合わずに討論。
後でデザイナーからさんざん愚痴を聞かされる。

■1PM:
ランチを兼ねてのマーケットリサーチ。
自社ブランドと他社ブランドを回って売れているものをチェック。

■3PM:
今年の秋冬のサンプル検討会
展示会用にあがって来た各色のサンプルの検討。
何を展示するか、修正はないか、等を話し合う。
上層部から色を変更しろ、という無理難題が…
またもやデザイナーから愚痴られる。

■5PM:
今期の売上げ予測、販売計画の修正作業
売れ行きの良かったアイテムが店頭で不足している事が発覚。
まだまだ売れるアイテムと判断し、緊急で追加投入決定。
販売計画を増加に修正して、ほくそ笑む。

■6PM:
取引先と打ち合わせ
商社の縫製工場担当者を緊急で呼び出して、先ほどの追加生産を依頼する。中国生産のため、不可能であるため、国内生産に変えるように無理な交渉をする。取引先担当者が涙目に..

■8PM:
タイ出張のため、羽田へ出発
縫製工場があるタイに出張の為、モノレールで羽田へ。
とてもタイトな出張スケジュールの中、タイマッサージに行けるかな…

MさんはMDとしてとても忙しい日々を送っていますね!  
来年の春夏と今年の秋冬のミーティングを1日の中で行う事もあり、頭の中の情報をうまく整理しておかないと回りません。
MDは先々のトレンドや現在の売れ筋など多くの情報を、忙しい毎日のなかで日々追い求めなければなりません。
また、社内の人間関係だけでなく、取引先とのやりとりも多く発生するため、とても高いコミュニケーション能力も必要になります。
デザイナーは感性が強く操縦するのも腕が必要。社内の上層部とうまくやっていられれば、自分の企画も通りやすくなります。また、取引先にはときには強く出てブランドのコンセプトに合ったモノ作りを要求することも必要です。

多岐にわたる能力を使いこなす、それがMDの仕事です。