翻訳すると生々しい
PTAの代表作
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
資本主義とは、たぶんこういうものなんだろう
主人公は、分かりやすい悪人ではない
狂気も、特別な異常性も、強調されていない
ただ、勝ち続けることに一切の疑いを持たず、その結果として、周囲との関係をすべて壊していく
現代でも、この主人公に似た経営者に出くわす
判断は早く、大きな成果も出す
しかし、どこかで「人」が抜け落ちている
それを本人だけが自覚していない
この映画がさらに冷酷なのは、
宗教すらも、はっきりと偽物として描いている点
救いとしての信仰ではなく、資本主義と同じ構造を持った装置としての宗教
信じる側と、利用する側
やっていることは変わらない
だからこの映画には、救いがない
寄りかかれる場所がどこにもない
資本主義も、信仰も、家族も、
拠り所にはならない
主人公の振る舞いに自分が重なる部分がある
観ていて嫌な気持ちになる
見覚えのある感覚が、わずかながら顔を出す
同時に、自分はああいうふうにはなれないとも思う
というかなりたくない
それが、会社を大きくできない理由なのかもしれない
それでも、この映画は他人に勧めたい
ここまでグロテスクな人間像を、正面から描き切られると、
目を逸らすことができない


