2026.01.14

Joe Strummer

ジョー・ストラマーは、自分にとって一番好きなパンクロッカー

彼は「音楽で世界を変えられる」と、本気で思っていた人
それはポーズでも、若さゆえの理想論でもなく、最後まで疑っていなかった
世界情勢にも詳しかった

パンクがムーブメントになった時、ロンドンは大きな問題を抱えていた
移民の流入や失業問題の中で、仕事を奪われたと感じる若者たちの鬱憤が溜まり、怒りは外へ向かった
誰かを分かりやすい敵にしたくなる空気が街全体にあった

そんな複雑な社会の構造に、真正面から言葉を投げ込んだのがザ・クラッシュでありジョーだった

誰かを単純に悪者にするのではなく、何が起きているのかを言葉にする
魂を込めて歌うことを大切にし、歌詞も本当に自分が思っていることだけを書いた

ジョーには
「月に手を伸ばせ。たとえ届かなくても」
という有名な言葉がある

現実的に考えれば、無理に決まっている
それでも、手を伸ばす姿勢そのものに意味があると、彼は信じていた

同じ時代のパンクでも、ピストルズのようなシニカルさは無く、ジョーは真面目で熱かった

その姿勢は、ステージの上だけのものではなかった
晩年、ジョーはフジロックにアーティストとして出演したが
その場の空気を気に入り、その後数年間観客としても参加していた
自分も影響を受けて毎年フジロックに参加している

演者と客、上と下を分けない
人のいる場所に混ざり、音楽を聴き、空気を感じる
カリスマでありながら、最後まで現場にいた人だった

今の日本を見ていると、社会の空気が少し張りつめているように感じることがある
生活に余裕がなくなると、不満や怒りが、分かりやすい対象に向かいやすくなる

ただ、ジョーやクラッシュが向き合っていたのは、そういう単純な話ではなかった
問題は、誰か一人を悪者にすれば、解決するほど分かりやすくない
怒りの背景には、もっと複雑な構造がある

弱い立場にいる人の側に立ちながら、別の弱い立場の人を切り捨てない
その姿勢が滲み出る楽曲は今聴いても全く古さを感じさせない
今の日本で聴き続ける意味がある

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