一向に落ち着かない中東関連のニュースを観るたびに思い出す
10年前、会議でオマーンに行った
初めての中東
初日に乗ったタクシーのドライバーがとても感じの良い人で、
滞在中は毎日、彼に電話して迎えに来てもらっていた
ある日、彼が言った
「あなたたちは、なぜわざわざ外国まで来て、何日も会議をするのか?
自分は朝から夕方まで働いて、夜は妻と3人の子どもと一緒にご飯を食べる
それで十分じゃないか」
さらに彼は、こうも言っていた
「オマーンにホームレスはいない
国王が、国民全員の最低限の生活を保障している」
オマーンはイスラム国家なので、
飲食店でアルコールは提供されないし、
夜遅くまで営業する店もない
自分たちが当たり前だと思っている娯楽は、そこにない
首都のマスカットは原始的な都市だが、不思議と不満は感じなかった
何が大事で、何を幸せと感じるかは、国や人によって違う
ただ彼の言葉には、
今ニュースで見る中東情勢が、
なぜあそこまで複雑で、根深くなるのか、
その基となるものが詰まっている気がした
奪われたくない日常
守りたい家族
「それで十分」と言える生活
大義や正義が語られる前に、
多くの人が求めているのは、
案外、彼が言っていたような世界なのかもしれない


