2026.02.12

CRASS

昨今、ヴィンテージのバンドTシャツが高値で取引されている
そのアーティストへのリスペクトというより、ファッションで買われているように感じる

そういえば以前、ベッカムがCRASSのTシャツを着ているのをメディアで見た
あれは思想なのか、単なるファッションなのか、少し考えた

CRASSといえば、反体制、反戦、DIY、無政府主義
かなりラディカルなバンド
サーの称号を貰ったセレブが着るのは違和感がある

ただ、単純に「ファッションだろう」とも言い切れない
ベッカムはロンドンのワーキングクラス出身で、人生マイナススタートから実力だけで自分を確立、ブランディングしてきた人
完全に体制側にいるようでいて、どこかに反骨が残っている

本気の思想として着ているわけではないだろう
かといって、何も知らずに着ているとも思えない
多分あれは、思想でも単なるファッションでもなく、文脈込みのファッション
あるいは、自分のスタンスの提示

パンクが勃興し始めた時はヒッピーとパンクは対立していた
理想主義と虚無主義
愛と破壊
長髪とモヒカン

ただ、今振り返ると地続きにある
ビート世代からヒッピーへ、
ヒッピーの失望からパンクへ、
パンクのDIY精神がヒップホップへ

CRASSは、ヒッピーがパンクになったようなバンド
思想もDIYも共同体的な感覚も、どこかヒッピーの延長線上にある

自分の中では、
ビートも、ヒッピーも、パンクも、ヒップホップも、全部同一線上にある
既存の価値観への違和感から始まり、
自分の言葉と手段で表現するという一点でつながっている。
だから改めてCRASSに共感する

ロンドンという街は、パンクもワーキングクラスも反骨も、すべてが混ざったまま日常がある
本気で革命を起こすわけではない
でも完全に体制側に染まりきるわけでもない
その中間に立ち続ける

DIYでやる
大きな流れに飲み込まれすぎない
かといって孤立もしない

ファッションも、街の飲み屋も、仕事も同じ
最後は「誰がそこに立っているか」

CRASSのTシャツ一枚でも、
着る人の背景やスタンスがにじむ
だから面白い

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