2026.02.24

悩み

映画『アンタッチャブル』に印象的な場面がある
アル・カポネを追い詰めるエリオット・ネス
命を狙われ、仲間を失い、正義が通らない現実に直面する

疲れて帰宅すると、妻が言う
「キッチンのタイルの色をどうしようかしら」

こちらは命がけの戦いをしている
それなのに、タイルの色で悩んでいる人がいる
ネスは一瞬、呆気に取られる

だが私は、あの場面をこう解釈している
「身近な人が、そんな些細なことで悩みを持てる世界を守りたい」と思ったのではないか、と

そして、自分で選んだ茨の道を、
誰を恨むことなく進む決意を、
固めたのではないか、と

この場面は、
「呑気でいいな」という話ではない
人はそれぞれ、自分の現実の中で悩んでいる
タイルの色で悩んでいる人にとっては、それが重要な問題

人の悩みを軽く見ない
馬鹿にしない
そう考えた方が、むしろ冷静さを取り戻せる

他人の悩みを否定しないことが、
結果的に自分を整えることにもつながる
視野を引いて、また戻る
その往復が、大きなイシューに向き合う力になる

ビジネスでは、解像度を上げることが重要
抽象論では経営は回らない
数字を具体に分解し、構造を細部まで見る
解像度を上げるほど、打ち手は明確になる

しかしメンタルが揺れるときは逆
解像度を上げすぎると、不安は増幅する
細部に入り込むほど、思考は重くなる

そんなときは、抽象度を上げる

世界には紛争地で今日を生きる人がいる
命そのものが不確実な場所がある
そこまで視座を引き上げると、
自分の悩みは相対化され、楽になる

経営は、解像度
心は、抽象度
両方が必要

常に抽象的では、現実は動かない
常に具体的では、心が持たない

抽象度を上げれば、悩みは小さく見える
解像度を上げれば、課題は明確になる
どちらも正しい
使う場所を間違えないようにしたい

今日は少し抽象度を上げて、
また明日、解像度を上げればいい
これで前に進めると思う

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