2011年、東日本大震災の年
その年の後半、プーケットでグループのカンファレンスが開かれた
リゾートホテルの会議室で、各国のグループ会社が業況を報告する
日本でビジネスを展開する我々に与えられたテーマは
「大震災の影響」だった
パワーポイントの資料のBGMに
Tears in Heavenを設定した
被災地の方の気持ちを
外国人に伝えるには
この曲が一番ふさわしいと思ったからだ
日本の状況を心配している人も多く、
涙して聞いている人もいた
エリック・クラプトンは
一番好きなアーティストだった時期がある
結構、長い間
LaylaやForever Manがヒットしていた頃から聴き出して
遡って昔の作品も聴いた
映画「ハスラー2」の主題歌も好きだった
フィル・コリンズをプロデューサーに迎えた
ビルボードヒットの黄金期
そこから
息子コナーの転落死という悲劇
誰もがまた酒やドラッグに溺れて
ダメになってしまうのではないかと心配した
そして沈黙の後に生まれた
Tears in Heaven
ナイロン弦で静かに歌う鎮魂歌は
キャリア最大のヒットになった
ただクラプトンには
ジャンキーの頃に黒人差別的な発言をしたという話もある
ブルースに影響を受けてスターダムに上がった人間が
そんな事を言うのはどうなんだと
ずっと思っていた
師匠BBキングとの共演や
ブルースアルバムのリリースを見て
やはり黒人音楽をリスペクトしているんだろうと
自分を納得させていた
しかしコロナ禍での
陰謀論的な発言を聞いた時、
その執行猶予を取り消した
クラプトンの曲を
プレイリストから消した
スペシャルズの
Racist Friendという曲がある
友達がレイシストなら
すぐに友達をやめろ、という歌だ
そのまんま当てはめて
クラプトンのリスナーを解消した
誰かが
音楽を聴く旅を続けていると
最後はラテンかブルースに行き着くと言っていた
自分も本当にそうなった
クラプトンは
本物のブルースにかなり近い
ただやはり白人の解釈がある
でもそれが
日本人がブルースを解釈するのに
ちょうど良い翻訳者のような気がする
クラプトンの魅力は
ギターよりむしろボーカルにあると思う
正にブルーアイドソウル
ホワイトブルース
一番よく聴いたアルバムは
映画RUSHのサウンドトラック
Tears in Heavenのオリジナルが収録されていて
ほぼ全編クラプトン演奏のインストルメンタル
夜に聴くととても良い
最近また
クラプトンを聴くようになった
きっかけは
SHIPSの原社長がラジオでDJを務められた番組だった
「深夜から明け方に聴くプレイリスト」
というテーマで選曲されていて
そこで流れたのが
クラプトンとジェフ・ベックの
Moon River
とても良かった
またクラプトンが聴きたくなった
薬物や酒の影響で出た言葉は
本心では無いという人もいる
たぶん逆だと思う
酩酊しているから本音が出たのだ
でも誰しも間違いがある
60歳が近づいてきて
赦すことの大事さに気づいた
自分も人に赦されて生きてきたのだから

