2026.04.17

60歳まではリハーサル

人生、60歳まではリハーサル
というオルケスタ・デ・ラ・ルスのNORAさんが書いた本がある

自分はこの本が好きで、
ある程度の年齢でキャリアチェンジしたり、
大きな決断をしようとしている知人によく勧めている
時には進呈することもある

タイトルがまずいい
60歳まではリハーサル

普通は、若いうちに何かを成し遂げなければいけないとか、
もうこの年齢だから遅いとか、
そんな感覚に縛られがちだ
でもこの言葉は、
人生をもっと長い時間軸で見ていいのだと教えてくれる

NORAさんの人生もそうだった

歌う喜びに目覚め、
失恋をきっかけに
「音楽は人を裏切らない」
と知り、歌で生きていくことを決める

そこからサルサに出会い、
ニューヨークに憧れ、
仲間とバンドを作り、
本場に飛び込み、
何度も壁にぶつかりながら、
ついには世界の舞台に立つ

もちろん、順風満帆だったわけではない
解散もあれば、挫折もある
家庭との両立、子育て、病気、年齢による変化もある
それでも彼女は止まらなかった

ここで終わりではない
まだリハーサルだ
そう思いながら前へ進んでいく

このタイトルの由来になったのは、
キューバで出会った伝説的音楽家、
コンパイ・セグンドの言葉だった

スタジオで初めて会った彼は、
90歳を超えてなお少年のように洒脱で、
「人生は60歳からが本番。君はまだリハーサル中だ」
と笑ったという

ほんの短いやり取りだったのに、
その言葉はNORAさんの心に深く残った
人生はもう下り坂なのではなく、
まだ途中なのだと

この感覚は、とても救いがある

オルケスタ・デ・ラ・ルスが
ニューヨークで人気絶頂だった90年代初頭
自分も貧乏旅行であの街を訪れたことがある

スパニッシュハーレムに行くと、
サルサがガンガン鳴っていた
街には陽気さと活気があった
あの体験が自分がラテンミュージックに興味を持つ
きっかけのひとつになった

ラテン系という言葉は、
時に能天気というような意味で使われるが
本当はもっと深いものだと思っている
何があっても明るさを忘れない
理不尽なことがあっても、
とりあえず歌い、踊り、前を向く
それは単なるお気楽さではなく、
人間が生きていくうえで最も必要な強さのひとつではないか

ラテンミュージックは、
そういうものを理屈ではなく、
非言語で感じさせてくれる
だから惹かれるのだと思う

若い頃の失敗も、
遠回りも、
報われなかった努力も、
全部そこで終わりではない

本番はもっと先にある
その経験があったからこそ出せる味もある

60歳まではリハーサル

そう思えるだけで、
少し気が楽になる
遅かったのではなく、
まだ途中だったのだ

そう考えると、
人生は俄然、面白くなる

今週もお疲れ様でした。

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