2026.04.24

Everyday Is Like Sunday

今週、大阪ミナミのバーで、隣の席に座ったイギリス人観光客と音楽談義になった

どんな音楽が好きなのか
イギリスのアーティストなら誰が好きなのか

その流れで、モリッシーが好きだと言うと、相手が少し嬉しそうに反応してくれた

最近は思想が逆ブレして、長年のファンを心配させている、あのモリッシー

それでも、自分にとってモリッシーは、やはり特別な存在だ
ザ・スミス時代の曲もいい

その中で一番好きな曲を挙げるなら、
Everyday Is Like Sunday

日曜日という言葉は、本来なら穏やかで、少し幸せな響きを持っている
一方で日曜日には、どこか重たいものを感じる人もいる
町が静かで、自分だけが取り残されているような気がする

モリッシーが歌っているのは、英国の寂れた海辺の町の閉塞感
正確な場所はわからない

以前、カンファレンスでブライトンに行ったことがある
昔はずいぶん賑わっていたであろう海辺の観光地
日本で言えば、熱海に近いような場所

華やかだった時代の名残と、少し色褪せたリゾート地の空気
海風、古いホテル、観光地特有の少し寂しい明るさ
この曲の雰囲気にも合っているように感じた

ただ、実際にモリッシーが歌っているのは、ブライトンのような南部の観光地というより、
もっと寂しい、イギリス北西部の海辺の町だろう
日曜日の午後だけが、ずっと続いているような町

思春期の頃、自分も似たような感覚を持っていた

何とも言えない劣等感
生まれた家で、ある程度人生の勝負は決まっているのではないかという感覚
劇的に人生が変わることなど、きっとないのだろうという諦め
まだ何者でもないのに、すでに自分のポジションだけは決まっているような気がしていた

もちろん、今ならそんなことはないと言える
人は変われる
人生も予想以上のものになる

ただ、思春期の自分には、そうは思えなかった

実家の隣に中華屋があった
そこの大将と、夜な夜な立ち話をした

その人も、よく似たようなことを言っていた気がする

世の中は不公平
最初から持っている人間と、そうでない人間がいる
どうにもならない差がある

そして、ある時こう言った

「お好み焼きみたいに日本をひっくり返して、全員一からやり直させて欲しい」笑

マルクスでも、階級闘争でも、再分配でもない
しかし、あの一言には、庶民の生活実感があった

モリッシーは、その感覚をもっと美しく、もっと陰鬱に、もっと文学的に歌った
もちろん比べるような話ではないが、根っこにあるものは似ている気がする

“Everyday Is Like Sunday”

毎日が日曜日みたいだ、というのは、毎日が休みという意味ではない
毎日が、もう終わってしまった後のようだ、ということだと思う

何かが始まる前から、もう結果が見えている
町も、人も、自分も、どこか動きを止めている
そんな感覚

それでも今になって思うのは、あの閉塞感も、劣等感も、決して無駄ではなかったということだ

不公平だと思ったから、人の痛みがわかる
劣等感があったから、見栄を張る人の弱さもわかる
自分の人生が決まっているように思えたからこそ、そこから抜け出そうとする人間の必死さもわかる

今週もお疲れ様でした。

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