今日の阪神対中日戦はすごかった
7回まで0対7
普通なら完全に負け試合である
そこから8回に一気に追いつき
9回裏に森下翔太のサヨナラホームラン
8対7
まさにルーズヴェルト・ゲームだった
ルーズヴェルト・ゲームとは
8対7の試合が野球で一番面白い
そう語ったとされるアメリカ第32代大統領
フランクリン・ルーズヴェルトの言葉に由来する
取って取られるシーソーゲーム
あるいは大逆転劇
野球の面白さが最も凝縮されたスコアとして使われる
池井戸潤原作の小説
そしてドラマのタイトルとしても知られている
舞台は社会人野球部を持つ青島製作所
業績悪化
リストラ
銀行からの圧力
ライバル企業との受注競争
そして野球部の廃部危機
会社そのものが追い込まれていく中で
野球部もまた主力選手の流出や監督交代に揺れながら
限られた戦力で立て直しを図っていく
単なる野球小説ではない
会社の危機とチームの危機が重なり合う
組織再生の物語である
私がこの作品を知ったのは
同級生の清宮克幸氏に弊社で講演をしてもらった時だった
講演会の参加者に向けて清宮氏がお薦めしていたのが
池井戸潤の『ルーズヴェルト・ゲーム』だった
清宮氏自身も元々池井戸氏の著書を読んでいたわけではなかったらしい
池井戸氏との対談を前に代表作のひとつとして『ルーズヴェルト・ゲーム』を読んだ
すると、自身がヤマハ発動機の監督として招聘された時の状況とあまりにも重なったという
チーム状態は厳しい
戦力も限られている
それでも現場を立て直し
勝てる組織に変えていく
その過程が自分の経験とそっくりだったので
大変面白く読んだとのことだった
今日の阪神の試合を見ていて、その話を思い出した
0対7というスコアだけを見れば、ほとんど終わった試合である
ただ、勝負は終わったように見えてからが本当の勝負なのかもしれない
組織も同じだと思う
業績が悪い
人が足りない
流れが悪い
空気が重い
そういう時にもう無理だと思うのか
まだ1点ずつ返せると思うのか
その差は大きい
一気に7点を返そうとすると難しい
しかし、ひとりが出塁する、ひとつ進塁する、ひとつ返す
その積み重ねで流れは変わる
負けている時ほど、派手な一発よりも
まずは次につなぐことが大事になる
そして、つなぎ続けた先に森下のような一発が出る
これは野球だけの話ではない
会社も、人生も、負け試合のように見える局面がある
もう遅い、もう無理だ、流れが悪すぎる
そう思うことはある
それでも本当に終わるまではわからない
今日の甲子園には野球の面白さと仕事の厳しさと人生の希望が詰まっていた
やっぱり8対7は面白い
負けている時こそ、人と組織の本当の力が出るのだと思う

