寺尾紗穂の最新アルバム
『わたしの好きな労働歌』
が最近の愛聴盤になっている
アルバムジャケットも良い
もともとワークソングが好きだ
働く人の歌
汗や土や油の匂いがする歌
そういうものに昔から惹かれてきた
思えば高校時代
友人の坂東の影響で聴き始めたARBもそうだった
ARBにはワークソングが多かった
働く人間の怒りや誇りや哀しみが歌にそのまま入っていた
ファッションもずいぶん色々と旅をした
DCブランド
イタリアンカジュアル
モード
アメリカンカジュアル
ストリート
結局いま落ち着いたのはワークファッションである
まぁアメカジの一部ではあるけども
丈夫で動きやすく、汚れても様になること
使い込むほどに味が出ること
そこには労働への敬意がある
寺尾紗穂の前のアルバムのタイトル曲
「しゅー・しゃいん」も実に良い
メロウなジャズアレンジ
労働歌であると同時に反戦歌でもある
戦後、戦争孤児の多くが靴磨きに従事していたという
生きるために靴を磨く
今日を食べるために路上に出る
そう考えると、靴磨きという仕事の風景がただの懐かしい昭和の一場面ではなくなる
戦争が終わった後も子供たちの戦争は終わっていなかった
ちなみに現在の少年法は、戦後の混乱期における少年犯罪や戦争孤児の問題とも深く関わっている
今の時代とは状況が違う
生きるために罪を犯してしまった子供たちと
安易な欲望や承認欲求につけ込まれ、闇バイトやトクリュウに加担してしまう少年たちを
同じ線で語ることはできない
少年法のあり方も問い直される段階に来ているのかも知れない
ただ、その根っこにあったはずの
孤児の辛さ、貧しさ、労働の尊さ、生きることの切実さ
それだけは忘れてはいけないと思う
美輪明宏の『ヨイトマケの唄』を聴くと
毎回オカンを思い出す
土方仕事をしながら子供を育てる母親の歌
母親の強さ、子供の恥ずかしさ、後悔、感謝、全部入っている
泥くさい親子愛、だから胸にくる
労働歌が好きなのは、そこに人生の本音があるからだと思う
そして、その泥臭さの中にこそ人間の尊厳があると思っている

