ワールドカップが開幕した
日本の初戦はオランダ
結果は2-2の勝ちに等しい引き分け
オランダに二度リードされ、二度とも追いついた
先制点を入れられて追いつく、また勝ち越され追いつくという苦しい展開
一度ならまだしも、二度追いつくというのはかなりしぶとい
幸先が良い
サッカーは90分の大半は点が入らない時間でできている
だからこそゴールが決まった瞬間に選手も観客も爆発する
ゴールを決めた選手がゴールセレブレーションで試合中よりも速く走ることがある
試合中の疾走には目的がある
しかしゴール後の疾走は違う
ただ走る
身体が勝手に走ってしまう
あれは歓喜でもあり、解放なのだ
その姿を見るとブルースのシャウトを思い出す
ブルースは悲しみの音楽だと言われる
困難を抱えた人間が歌う音楽であるが、良いブルースは
ただ沈んで終わらない
苦しみを抱えたまま声が伸び、ギターが泣き、リズムが身体を持ち上げる
正に解放である
サッカーのゴールに共通点を感じる
長く報われない時間のあとにゴールネットが揺れる
その瞬間、選手は走り、観客は叫ぶ
知らない人同士が抱き合う
国籍も立場も年齢も関係なく、感情の塊になる
ワールドカップは世界最大級の祝祭である
だがその中心にあるのは、勝者の歓声だけではない
敗者の美学もある
その全部がブルースに通じる

