2026.07.01

ドラフト

7月1日は高卒求人の公開日である
高校生の就職活動が、名目的には、ここから始まる

20年ほど前、新卒採用支援で一世を風靡していた会社の代表が、こんなことを言っていた

「中小企業はパ・リーグ、セ・リーグの人気球団のように、トレードで優秀な人材を獲得することはできない。だからドラフト会議で獲得するしかない」

つまり、中途採用という名のトレード市場では、大企業や人気企業に勝つのは難しい
だからこそ、新卒採用というドラフトで、まだ世に出る前の人材と出会う必要がある

この言葉は、今の時代にも十分に当てはまる
むしろ、当時よりもその傾向は強くなっていると思う

優秀な人材、いや、普通に真面目に働ける人材であっても、一度労働市場に出れば、すぐに多くの企業の採用競争にさらされる

求人広告の予算も限られる中小企業の求人は、転職希望者の目に触れることすら難しい
土俵に上がる前に、すでに勝負が決まっていることも少なくない

もちろん、新卒採用も簡単ではない
求人広告の予算、知名度、学校との関係性、採用担当者の熱量
そこには当然、差が出る
それでも新卒採用には可能性がある

名前の知られていない会社でも
規模の大きくない会社でも
誠実に仕事を伝え、若い人の未来に向き合えば、大手企業と同じ土俵に上がれる

特に高卒採用は、会社の知名度だけで決まらない
先生との信頼関係
保護者への説明
本人の不安に寄り添う姿勢
入社後に大切に育てる覚悟
そういう地道な積み重ねが、採用につながる

日本独自の慣習である新卒一括採用は、批判されることも多い
たしかに課題はある
画一的で、早すぎて、若者にとって窮屈な面もある
しかし一方で、この仕組みは中小企業のための仕組みでもあると思っている

中小企業が、まだ何者でもない若者と出会える機会
若者が、名前だけでは選ばなかった会社と出会える機会
お互いにとって、人生が変わる可能性のある機会である
ドラフト会議で指名した選手が、必ず活躍するとは限らない
会社も同じである

しかし、指名した以上は育てる責任がある
そして、指名された若者にも、その会社でしか開かない未来がある

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