アール・クルーの『Reyna』という曲がある
この曲を聴くと心が穏やかになる
そして同時に寂しさも募る
理由はわかっている
1980年代〜90年代初頭にかけて、関西ローカルテレビ局のMBS(毎日放送)で、放送終了前の最終天気予報のバックに流れていた曲だからだ
いつも特に意味もなく夜更かしをして、放送終了前までテレビを観ていた
毎日、悶々としていた
将来への不安や孤独
明日に希望が持てず、自分だけが取り残されたような気持ちになる夜も少なくなかった
そんな時間帯に流れていたのが『Reyna』だった
アール・クルーのナイロン弦ギターの優しい音色
優雅なストリングス
何か主張するわけでもなく、ただ静かに寄り添ってくれる
天気予報が終われば、その日の放送も終わる
「今日も終わったな、、」
そんな気持ちで聴いていた
今の人には少し想像しにくいかもしれない
今は朝まで延々と動画を観ることができる
終わりがない
しかし当時は違った
テレビが終われば一日も終わった
世界との接点が消えて、自分だけが夜の中に残される
だから『Reyna』を聴くと、あの頃の何者にもなれていない自分を思い出す
今振り返れば、あの頃の不安と孤独まで含めて懐かしい

