韓国映画『シュリ』
定期的に観ている
自分にとっての韓国映画ベスト1である
以前、韓国アパレル最大手の企業と取引をすることになった時、韓国文化への理解を深めようと思い、短期間に何十本も韓国映画を観た
その中で特に気に入った一本が『シュリ』だった
『シュリ』と同時期にヒットした『JSA』もそうだが、韓国映画には南北分断という現実が深く影を落としている
一見、政治とは無縁の娯楽作品であっても、その奥に南北問題が横たわっている
『シュリ』は、韓国の情報機関の要員である主人公と北朝鮮の女性工作員が恋に落ちる物語である
最後に主人公は、自ら愛した女性工作員を撃つ
国を守るために撃つ
しかし、そこにいるのは、かつて愛した人間である
分断とは、そういうことなのだと思う
北朝鮮は、ミサイルを撃ち、国際社会を挑発し、人々を不安にさせる行為を続けている
決して許されるものではない
なぜここまで孤立した国が生まれてしまったのか
その根っこは、やはり南北分断だ
もし戦後の日本が、静岡あたりで二つの国に分断されていたらどうだろう
片方は経済発展し、もう片方は国際社会から孤立する
同じ民族であり、かつては同じ家族であった人たちが、国境を挟んで憎しみ合う
そう考えると、互いの国民は何の罪もない犠牲者だとわかる
相変わらず、いや、国際社会はますますきな臭くなっている
アメリカとイランをめぐっても、停戦だ、破棄だ、報復だと、強い言葉が飛び交っている
イランにも現体制に反発する人々はいるだろう
自由を求める人も、抑圧に苦しむ人もいると思う
しかし、その声をアメリカやイスラエルが体制転換の道具として期待することには違和感がある
仮にそれがうまくいったとしても、その先にあるのは本当にイランの人々の自由なのだろうか
また大国の都合で国の形が変えられ、人々が分断され、また新しい憎しみが生まれるだけではないのか
独裁を肯定しないし、抑圧を見過ごしてはいけない
ただ、外から国を壊して、新しい秩序を押しつけることが、本当に人々を救うのか
その問いを抜きにして、正義を語るのは危うい
『シュリ』のラストは、済州島の海を主人公が眺めるシーンで終わる
エンドロールで流れる曲が良い
夢を見る時
誰もが本当は、平和を夢見ている
世界が危うい方向へ進むたびに、隣国の悲劇『シュリ』を観たくなる

