2026.09.16

共働き

日本総研が、国内の中学生、高校生、大学生1,000人を対象に実施した「2026若者意識調査」を発表した

その中に、興味深い数字がある

子どもがいない場合、共働きを希望する若者は47.7%
ところが、子どもがいる場合を想定すると32.1%まで下がる

男性は40.0%から27.0%へ
女性は55.4%から37.2%へ

男女とも、子どもがいることを想像した途端、共働きを希望する割合が約3分の1減っている

この数字だけを見ると、最近の若者は仕事より家庭を重視するようになった、あるいは、共働きをしたくない若者が増えたと解釈されるかもしれない

しかし、そうではないと思う

若者が働きたくないのではない
仕事と子育てを両立できる未来を、今の社会が見せられていないのだ

人材業界に関わって30年になる
その間、多くの若者と接してきた

若者の価値観が変わったと言われるたびに、少し違和感を覚える

確かに、仕事に対する考え方は変わった

会社のために私生活を犠牲にすることを美徳とは思わない
昇進や高い収入だけが成功だとも考えない
仕事以外の時間や、自分らしく生きることを大切にする

しかし、それは若者が怠けるようになったからではない
私たち大人の働き方や暮らし方を見て、学んだ結果でもある

共働きをしなければ生活が成り立たない
しかし、二人とも働けば、家事や育児に十分な時間を取れない

保育園に子どもを預け、時間に追われながら働き、帰宅してから家事をする
子どもが病気になれば、どちらが仕事を休むのかを相談する
住宅費も教育費も上がり続けている

そんな大人たちの姿を見ながら育った若者に、仕事と子育てを両立する明るい将来を想像しろと言っても難しい

調査では、子どもがいる場合の共働き希望は、2020年の44.1%から2022年には32.8%へ低下し、2026年も32.1%にとどまっている

この間、賃上げや育児支援、働き方改革が進められてきた
それでも数字は戻っていない

制度ができたことと、安心して利用できることは違う

育児休業を取れば周囲に迷惑をかける
子どもの事情で休めば評価が下がる
短時間勤務を選べば、キャリアから外れる

そのような空気が残っている限り、制度だけを整えても、若者の将来への不安は消えない

少子化対策として給付金を配ることも必要だろう

しかし、子どもを持っても働き続けられる
仕事を続けても、子どもとの時間を失わない
どちらか一方が何かを諦めなくてもいい
そう思える社会をつくらなければ、若者が描く未来は変わらない

コロナ禍でテレワークやリモートワークが広がった時、通勤時間がなくなり、家事や育児に使える時間が増えた
テレワークを経験した人は、出社して働く人より幸福度が高いという調査結果もある
もちろん、コミュニケーション不足や孤独感など、新たな課題も生まれた
しかし、コロナ禍が明けると、対面の方が仕事を進めやすいという理由で、出社へ戻す会社が増えた
出社を義務づけられるなら転職を考えるという人も少なくない
会社にとって効率の良い働き方と、社員や家族にとって幸福な働き方は、必ずしも同じではない
共働きと子育てを両立できる社会を考えるうえで、この中に大きなヒントがあり、同時に課題もあるように思う

若者は未来を悲観しているのではない
大人たちがつくった現在を、よく見ているのだ

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