初めてコンビニで衣類を買ったのは、ファミリーマートのソックスだった
白地に、あの緑と青のファミマカラーのストライプが入ったスケートソックス
以前はソックスやアンダーウェアですら、コンビニで買うことは考えられなかった
コンビニの衣類といえば、旅行先で忘れ物に気づいた時や、急に必要になった時に買うもの
選ぶというより、間に合わせるものだったからだ
ところが、あのソックスで変わった
ソックスが急に必要だったから買ったのではない
あのデザインが欲しくて買った
店のサインで見慣れた配色が、ソックスに入ると新鮮で格好よく見える
デザインの力はすごい
誰しもコンビニに安さを求めていない
読んで字のごとく、求めているのはコンビニエンスさ、便利さだ
少し高くても、近くにあって、今すぐ買えるから使う
コンビニアパレルも、決して安くはない
それでもあのソックスは、便利だから買ったわけではなかった
欲しいと思ったものが、いつものコンビニにあったのだ
最初は「コンビニのオリジナルにしては良い」だったのだと思う
それがいつの間にか「コンビニのオリジナルが良い」に変わっている
この「にしては」が取れた瞬間、急場しのぎのアイテムがブランドになった
コンビニには、毎日のように立ち寄る
日によっては一日に何度も使う
ファミリーマートだけで国内に約1万6,500店ある
その棚に並ぶオリジナル商品がひとつヒットしたら、数字は大きい
ファミリーマートの「コンビニエンスウェア」は、2025年度の売上が200億円を突破した
セブン‐イレブンも、アンドエスティと共同開発したソックスやTシャツなどを今日、9月25日から順次発売する
同社が目指すのも、緊急時の買い足しだけではなく、選びたくなる売場だという
国内のコンビニ店舗数は、かつてのように大きく伸び続けてはいない
各社にとって、今ある一店舗に何を並べ、どれだけ売上を伸ばせるかは、ますます大切になる
そこに、アパレルという新しい可能性が見えてきた
アパレルメーカーからすれば、毎日大勢の人が訪れるコンビニの棚は魅力的だ
ただ、そのスペースは限られている
これからは、どのメーカーがコンビニと組み、その棚を手にするかという競争になるだろう
従来のコンビニでは、アパレルがこんな売れ方をするとは想像できなかった
ソックスは、もともと棚にあった
変わったのは、そこにデザインを入れ、「間に合わせ」ではなく「欲しい」と思えるものにしたことだ
これは、ほかの業界にも通じる話だと思う
以前から扱っている商品やサービスでも、デザインや見せ方を変えれば、選ばれる理由が変わる
ずっと脇役だと思っていたものが、そのお店や企業を利用する理由になるかもしれない
どの業界も自社のサブ的なサービスのデザインを見直すべきである
今週もお疲れ様でした。
良い週末を!

