2026.10.02

小さな恋のメロディ

映画『小さな恋のメロディ』を初めて観たのは、小学生の頃

当時流行っていた『がんばれ!ベアーズ』とともに、テレビで繰り返し放映されていて、小学生には人気の映画だった
ロンドンの街も、子どもたちの服装も、自分が暮らす大阪の下町とはまるで違う
それなのに、親近感の湧く映画だった

特に好きなのは、主人公の男の子がバレエのレッスンを覗き込む場面
踊っている女の子から、目が離せなくなる
まだ相手のことを何も知らない
ただ、その子を見ていたい
恋の始まりは、ああいうものだと子ども心に思った

好きになろうと思って、好きになるわけではない
気がつけば目で追っている
姿が見えればうれしいし、見えなければ探してしまう

小学生の自分が、深く理解していたとは思えない
でも、何度観ても好きだった
恋という言葉よりも先に、あの視線の意味はわかっていたのだと思う

二人は、好きだから一緒にいたいと思う
結婚したいとまで言い出す
大人たちは困ってしまう
まだ子どもなのだから、そんなことができるはずがない
好きという気持ちだけでは、どうにもならないこともある

それでも、子どもの頃にこの映画を観ていた自分は、二人の味方だった
大人になった今も、観ている間はきっとそうなる

いろいろな経験を重ね、大人になってから、BLANKEY JET CITYの「小さな恋のメロディ」を聴いた
ベンジーはこの曲で、映画を観るように勧め、12歳の頃に受け取ったものが、今も体の中に残っていると歌う

それを聴いて、子どもの頃に繰り返し観た映画を思い出した
バレエのレッスンを覗き込む男の子と、その視線の先にいる女の子

この曲には、甘い恋の思い出だけでなく、今いる場所への苛立ちもある
どこへ行けば良いのかはわからない
それでも、自分なりの幸せを諦めてはいない

自分には、その感じが映画の二人と重なって聴こえる
大人たちが認めてくれるのを待つよりも、まず二人は一緒にいたいのだ

年齢を重ねると、人を好きになることにもいろいろな説明がついてくる

価値観が合う
話が合う
一緒にいて気を遣わない

どれも大切なことだ
でも、そうした理由を並べる前に、もう好きになっていることがある

一緒にいるだけで楽しい
もう少し話していたい
別れた後も、その人の言ったことを思い出している

何十年生きても、そのあたりはあまり変わらない

もちろん、大人には立場がある
守るものもあるし、気持ちのままに動けば良いというものでもない
ただ、分別があることと、心が動かなくなることは別だと思う
心が動く時まで、わかったような顔をしていたくない

世界に飼い慣らされたくない
だから、好きなものには無防備でいたい

『小さな恋のメロディ』

バレエのレッスンを覗き込む、あの男の子
彼はまだ、恋が人生をどれほどややこしくするかを知らない
ただ、目の前の女の子を見ている

今週もお疲れ様でした。
良い週末を!

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