ロームシアター京都が、18歳以下を音楽公演に無料招待するという
クラシックを聴いたことがない人も歓迎する「放課後かんげきプログラム」
良い取り組みだと思った
自分が好きになるものを、人はどうやって見つけるのだろう
音楽も、映画も、本も
最初から、それが好きだとわかっているわけではない
たまたまテレビで流れていた
友達が聴かせてくれた
誰かに連れていってもらった
そんな偶然が、その後の人生に長く付き合うものとの出会いになる
自分にも、そういうものがいくつもある
当時は、それが何十年も自分の中に残るとは思っていなかった
好きになってからは、自分で探す
レコードを買い、映画館へ行き、本屋を覗く
しかし、その最初の一歩には、自分以外の誰かや何かが関わっている
好きになる前に、まず出会わなければならない
ところが、その機会は誰にでも同じようにあるわけではない
チケット代だけではない
会場までの交通費もかかる
小さな子どもなら、連れていく大人の時間も必要になる
暮らしに余裕がなければ、まだ好きかどうかもわからないものに、お金と時間を使うのは難しい
食費や家賃、学校に必要なものを優先するのは当然だ
そうして、出会わないままになるものがある
子どもへの支援といえば、食事や学習がまず思い浮かぶ
もちろん、それは欠かせない
そのうえで、音楽を聴いたり、映画を観たり、舞台に驚いたりする機会も、もっとあって良いと思う
将来、何かの役に立つからという理由は、とりあえず置いておく
好きな曲が一曲ある
何度も観たくなる映画がある
しんどい時に開く本がある
そういうものがあるだけで、日々の暮らしは少し違う
自分も、音楽や映画がなかったら、ずいぶん味気ない人生だったと思う
仕事で失敗した日も、人間関係がうまくいかない日も、聴きたい音楽はあった
何十年も前に出会ったものに、今も付き合ってもらっている
無料で招待された子どもたちが、全員クラシックを好きになる必要はない
退屈だったと思う子もいるだろう
それも、行ってみたからわかる
中には、もう一度聴きたいと思う子がいるかもしれない
何年も経ってから、あの日の演奏を思い出す子もいるかもしれない
自分たちが今も大切にしているものの中には、誰かが何気なく渡してくれたものがある
今度は、大人になったこちらが渡す番なのだ
今週もお疲れ様でした。
良い週末を!

