食料品の消費税を下げることで、暮らしはどう良くなるのか
今日の国会で、どの指標がどうなれば政策は成功だったと言えるのかと問われ、高市首相は具体的に答えることは困難だと述べた
もちろん、政策の良し悪しをひとつの数字で判断することは難しい
それでも、何を良くしたいのか、そのために何を確かめるのかは、始める前に示してほしい
減税を実施することと、暮らしが良くなることは必ずしもイコールではない
一方で、外食の税率は10%のままになるため、飲食店からは客足を心配する声が出ている
テイクアウトを増やせばと言われても、容器や袋にも費用がかかる
自分の実家も飲食店だった
隣の中華屋の大将は、
「ランチの値段は、近所のパートのおばちゃんの時間給を超えたらあかん」
という哲学を持っていた
1時間働いたお金で、昼飯を食べられるようにする
お客さんの暮らしが見えている人のリアルな考えだ
今の最低賃金を考えると、都心などを除けば、パートの時給を大きく下回る価格でランチを出している店も多いだろう
食材費も光熱費も上がる中で、その値段を守ろうとする飲食業の苦労がわかる
値上げをすれば、お客さんの足が遠のくかもしれない
据え置けば、店の利益が減る
従業員の給料も、自分たちの生活も、そこから賄わなければならない
お客さんが少しでも安く食べたいと思うのも当然だ
食費を抑えなければ、生活が成り立たない人もいる
店主も、お客さんも、そこで働く人も、同じ生活者である
働いて得たお金を、誰かの仕事に払っている
家計と商売は、つながっている
自分は、チェーン店よりも個人経営のお店が好きだ
店主や隣のお客さんと、世間話や時事ネタから、暮らしの実感を知る
自分の情報や感覚の検証もできる重要な憩いの場だ
しかし、親しまれている店でも、商売が成り立たなければ続かない
閉店を惜しむ声だけでは、店は残せない
政策の成果は、こうした現場で確かめてほしいと思う
食費の負担が軽くなり、店も続けられて、働く人に給料を払える
その暮らしを、どう支えるのか
これは、自分の仕事にも返ってくる
人材の仕事では、採用が決まれば売上になる
しかし、入社した人が無理なく働けているか、職場に居場所を見つけられたか
そこまで見なければ、良い仕事をしたとは言い切れない
数字は大切だ
経営者として、そこから逃げることはできない
ただ、売上や採用人数の向こうにいる人を見失いたくない
近所のパートのおばちゃんの時間給を意識していた、中華屋の大将のように

